お知らせ昨日、ストローマン・ジャパン株式会社様主催の「Basic Implantology 1day」にて、医療法人に所属されている20名弱の若手歯科医師の先生方に向けた講義・実習を担当させていただきました。
これからインプラント治療に本格的に取り組もうとされている先生方と共に、一日かけてインプラントの基本から補綴までを体系的に学ぶ濃密な時間となり、私自身もとても刺激を受けました。
今回は、その講義内容を簡単にご報告させていただきます。
■ Basic Implantology 1dayとは?
「Basic Implantology 1day」は、ストローマン社が全国で開催している歯科医師向けの教育プログラムの一つで、インプラント治療に初めて取り組む先生方に向けて、システムの基本的な理解・診査診断・手術の基本手技・補綴の考え方などを、丁寧に体系立てて学べる場です。
製品や技術の紹介にとどまらず、臨床でのリアルな判断・リスクマネジメント・患者様とのコミュニケーションに至るまで、トータルに学べることが特長です。
■ 講義内容と流れ
本講義は、インプラント治療の未経験~初心者の先生方向けに構成されたBasic Implantology 1dayのプログラムに沿って、外科・補綴両面からの実践的な知識と技術をお伝えしました。
▶ イントロダクション
講義の導入として、Straumann Dental Implant Systemの基本的な特徴と理念をご紹介しました。
- インプラントの高い精度と信頼性
- 世界中での臨床実績
- 製品開発における科学的根拠の重視
など、ストローマンインプラントがなぜ“選ばれる存在”であり続けているのかを、臨床の現場視点からお伝えしました。
▶ 診査診断と治療計画
インプラント治療のスタートは診査診断です。ここでは、
- ・全身的評価(持病・薬剤服用歴など)
- ・局所的評価(骨量・軟組織・咬合など)
- ・治療計画の立案(治療目標と術式選択)
に加えて、ストローマンガイド(Surgical Guide)の特長と優位性についても解説しました。
CTデータを用いたガイドシステムは、術前の計画を精度高く再現するために極めて有用であり、若手の先生方にも積極的な活用を推奨しました。
▶ 外科術式の解説
ここでは、ストローマンの代表的なインプラントラインである
- ・ティッシュレベル(TL)
- ・ボーンレベル(BL)
- ・ボーンレベルテーパード(BLT)
それぞれの埋入術式の違いや特徴、注意点についてお話ししました。
また、二次オペのタイミングや手技、単独歯中間欠損部における切開と縫合のアプローチなど、臨床現場で“明日から使えるテクニック”にフォーカスしました。
▶ 埋入実習(デモ&ハンズオン)
午後は、まず私から埋入デモンストレーションを行い、ドリリングの感触や角度の調整、トルクの確認など、現場感のあるノウハウを解説しました。
その後、受講された先生方ご自身による埋入実習(ハンズオン)を実施。初めての方も多かったと思いますが、どの先生も真剣なまなざしで取り組んでくださり、非常に熱量の高い実習時間となりました。
▶ 補綴術式の解説
インプラント治療は、外科だけでなく補綴設計の最適化が成功の鍵を握ります。ここでは、
- ・CARESアバットメントの構造と活用方法
- ・印象採得の基本とコツ
- ・補綴オプションとアバットメント選択の基準
について解説しました。
天然歯との調和、清掃性、メンテナンス性なども視野に入れた補綴設計が、長期予後にどう影響するかについても具体例を交えてお伝えしました。
▶ 症例供覧とディスカッション
最後に、私の実際の症例から
- ・単独歯欠損
- ・少数歯欠損
- ・サージカルガイドを用いた症例
を供覧し、症例ごとのポイントやリスクマネジメント、患者様とのコミュニケーションについてもご紹介しました。
続くQ&Aセッションでは、
- ・「実際の初診でどうインプラントを提案していますか?」
- ・「患者様の不安を和らげる言葉がけは?」
- ・「TLとBL、どちらを最初に扱うべきですか?」
といった質問も寄せられ、受講者の皆さんの積極性と関心の高さがひしひしと伝わってきました。
■ おわりに
今回のBasic Implantology 1dayを通じて、未来のインプラント治療を担う若手ドクターの熱意と可能性に触れることができ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
私自身も若い頃に感じた、「インプラントって難しそう」「最初の症例が不安」という気持ちを思い出しながら、少しでも自信を持って一歩を踏み出せるようサポートできればという思いでお話しさせていただきました。
このような貴重な機会をくださったストローマン・ジャパン株式会社様、そして熱心にご参加いただいた先生方に心より感謝申し上げます。
